テラスにいる観光客

「夕方の娯楽」を体験しませんか?

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近年流行し、人々のライフスタイルの一部にまで上り詰めたもの。それが、「タルデオ」と呼ばれる夕方の娯楽です。この新しい形のエンターテイメントについて聞いたことがありますか?タルデオとは、「午後の最後の数時間を活用する」という、スペインならではのエクスペリエンスのことです。街のリズムが変容するのに合わせて、家族や友人とともにタパスやドリンク、笑い声のなかでリラックスし、皆でいっしょに楽しい計画を実践する、というものです。さらに、この「夕方の娯楽」はさまざまな世代の人々に共通の習慣となっており、また従来のナイトライフに取って代わる手段にもなりつつあります。ブランチに出かけるのがお昼のお気に入りの過ごし方だという方は、ぜひとも日中の最後の数時間を利用してスペインの夕方を満喫してください。

  • バルセロナのテラス

    スペインの都市で「夕方の娯楽」を楽しむのにおすすめのエリア

    街を発見するということは、その街の通りや最も特徴的な建造物を歩くことだけではありません。まるで自分がその住民の一人であるかのように、その住民の中に溶け込むことが、その土地を知るための理想的な方法です。「夕方の娯楽」は、そのための最高の選択肢のひとつであり、また午前中に文化施設を訪問したり市内でショッピングを楽しんだりした場合、その後のエネルギーを補給するための絶好の機会でもあります。スペインでは、タルデオには特別なものがあります。快適な気候や長すぎるほどの日照時間、時計を見るのをうっかり忘れてしまうほどの雰囲気があるためです。どう思いますか?マドリードにいる場合、ラ・ラティーナ地区、マラサーニャ地区、アルカラ門の周辺地域などを訪問先リストに追加しましょう。以上のエリアは、いつでもよい雰囲気に満ちています。そこには国際色豊かな飲食店が立ち並び、昼夜を問わず、おいしい軽食をつまんだりカクテルを注文したりできます。レティーロ公園とアテナス公園内には美しいテラスがあり、DJによる電子音楽のセッションが行われます。一日を締めくくるのにこれ以上のプランはありません。バレンシアでは、海に沈む夕日をビーチ沿いにある雰囲気のよいテラスや流行の店の屋上から眺めつつ、魔法のような夕方を過ごすことができます。これ以上の贅沢があるでしょうか?その好例が、バレンシアのマリーナやホテルです。こうした場所では、有名DJによるセッションや、最新音楽と前衛グルメ・カクテルを組み合わせたイベントが開催されます。ルサファ地区は現代的で活気があり、セドロ広場も同様です。バルセロナでは、ゴシック地区のテラスで楽しむ「夕方の娯楽」は一種の芸術と見なされています。おいしいジントニックやベルモットソーダを注文し、パタタス・ブラバス、ミートボム、ロシア風サラダを添えて、本物のバルセロナっ子になった気分を味わいましょう。もっとも本格的なアンダルシア流「夕方の娯楽」を体験するなら、「レブヒート」(フィノワインまたはマンサニージャワインをライム味のソフトドリンクまたは炭酸飲料で割ったもの) は欠かせません。セビージャでは、グアダルキビール川沿いにあるトリアナ地区やボヘミアンな色彩の強いアラメダ・デ・エルクレス地区でのタルデオがおすすめです。グラナダ訪問の際は、ぜひナバス通りやレアレホにお立ち寄りください。レアレホは魅力的な地区で、穏やかな雰囲気とボリュームのあるタパスを堪能できます。サン・セバスティアンビルバオクエンカサラゴサといった目的地の旧市街もまた、そこに立地する飲食店の多くにテラスがあり、大勢の人でにぎわっています。 スペインのどこにいても、よく冷えたサングリアを飲みながら「午後の娯楽」に乾杯できます。

  • マドリードのサン・ミゲル市場

    午後を楽しく過ごせる市場

    果物、肉、チーズ、魚の屋台が立ち並ぶ朝の喧騒が、午後には待ち合わせ場所に変わることをご存知ですか?市場は、新鮮な食材を使ったおいしいタパスやピンチョスを試食しながら、通路を歩き回るのに最適な場所です。そうした体験を味わいたいなら、さっそく市場に足を運んでみましょう。おすすめは、ビクトリア市場コルドバ)、サン・フランシスコ市場(オビエド)、ラ・リベラ市場(ビルバオ)、サン・アグスティン市場(グラナダ)、プエルト市場ラス・パルマス・デ・グラン・カナリア)、バレンシアのコロン市場、サラゴサ市やアリカンテ市の中央市場などです。もう一つの魅惑的な場所は、マドリードの サンミゲル市場です。ここでは、チーズ、米、イベリアハム、さらにはガリシアから毎日運ばれる魚介類など、スペイン産の食材をベースにした最新の調理法が楽しめます。さらに、そのほとんどは建築的に非常に価値の高い建物であり、それ自体が記念碑的な名所となっています。歴史ある「夕方の娯楽」を本格的に楽しみたいなら、グルメ市場を選ぶのが正解です。

  • クッキング教室

    試食付き料理教室

    とはいえ、「夕方の娯楽」の選択肢はほかにもあります。たとえば、料理教室は多くの都市で美食体験として人気が高まっています。おいしいタパスや前衛的な料理の作り方を学んだり、より伝統的な料理を練習したりするのに最適な時期です。新しい出会いの場としても理想的なものといえます。こうした料理教室は通常、午後に単発で開催され、作った料理は調理後に皆で試食します。そうして試食しながら、調理中に生まれた面白い逸話を語り合うのです。スペイングルメを楽しむ最高の方法は、その作り方を学ぶことにあります。その好例が、かの名高いル・コルドン・ブルーキッチン クラブ 。バルセロナでは、おいしいパエリアの作り方をシェフが丁寧に指導するパエリア料理教室体験が開講されています。セビージャのトリアナ市場で開催されるアンダルシア料理ワークショップでは、アンダルシア料理の最も典型的な料理を作って試すことができます。魔法のキッチンサラマンカで開講の料理教室です。コンロを操り、すぐれたデザートやブランチを作って皆をあっと言わせましょう。

  • クラフトビール

    クラフトビールのテイスティングとペアリング

    さらに、クラフトビールがお好きならラッキーです。製造工程を見学したり、さまざまな品種の試飲ができる工場見学がますます人気を集めています。非常に独創的なオプションがいくつかあります。アルテアでは、没入体験に参加してビールの歴史・文化、原材料、醸造技術に触れることができます。マドリードの山脈ではエコビール工場のガイドツアーに参加できます。サラゴサにはスペイン最古級の工場があり、その創業年は1900年にさかのぼります。また、レオン県のラシアナ渓谷の山中ではクラフトビール工場を見学できますが、その工場はなんと鉱山に立地しており、1世紀を超える歴史を誇ります。 

ご存知のとおり、これらのオプションはどれも、忘れられない午後を過ごすのに最適です。ぜひ実践してください。