サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂前の巡礼者

世界遺産に登録されている、スペインの魅力的な大聖堂についてご紹介します

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こうした大聖堂は「見逃せない訪問先リスト」の常連ですが、それには十分な理由があります。華麗な大聖堂、壮大な大聖堂、素朴な大聖堂など、さまざまなものがありますが、どの大聖堂もユネスコの認定を受けるに値する並外れたものばかりです。さらに、スペインは数多くの世界遺産の大聖堂を誇る恵まれた目的地です。そうした大聖堂を訪れ、その独特の美しさや驚くほど多彩な様式、貴重な芸術品、そこに隠された秘密などを発見してみませんか。

  • ブルゴス大聖堂の中庭

    ブルゴス大聖堂、ゴシック芸術の歴史

    この大聖堂の細い尖塔はブルゴスを象徴するスカイラインです。寺院の建設は1221年に始まり1567年に完了し、今日見ることができるゴシック建築の傑作を生み出しました。その見事な建築とそこに保存されている優れた芸術コレクションにより、1984年にユネスコのリストに加えられたこのスタイルの進化の完全な概要が手に入ります。内部には、じっくりと訪れる価値のある宝物や珍品が見つかります。その好例が、コンデスタブレス礼拝堂(大聖堂内にある、いわゆる「もうひとつの大聖堂」)、パリ・オペラ座のモデルにもなった黄金の階段、時を告げるとともに鐘のリズムに合わせて口も開けるユニークなからくり人形「パパモスカス」です。

  • コルドバのメスキータ=大聖堂の内部

    コルドバのモスク大聖堂、文化とスタイルの融合

    コルドバ大モスクが世界遺産リストに登録されたのは1984年のことです。その後、この認定の範囲は1994年にこの街の歴史地区にまで拡張されます。すでに当時、この驚異的なアラブ建築は、その規模や装飾、そして大胆なほど高い天井を理由に人々の称賛を集めていました。しかし、ここは歴史を反映したコントラストのハイブリッドな空間であり、キリスト教の芸術や文化も存在します。そのため、たとえば広大な「柱の森」では西ゴート時代の建築要素が散見されます。また、ムデハル様式の傑作である王室礼拝堂や、16世紀に着工されたルネサンス様式の大聖堂およびそのドーム、聖歌隊席、祭壇画などもあります。こうしたものすべてによって、世界有数の美しさとすばらしさを誇るこの複合建築が構成されているのです。

  • サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂

    旅の目的地、サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂

    この有名な巡礼地を訪れるのは、なかなか貴重な体験です。この大聖堂はサンティアゴ巡礼の道(同じく世界遺産に登録済み)の各ルート共通の最終目的地であり、大聖堂の周囲にはサンティアゴ・デ・コンポステーラ歴史地区が広がっています。この歴史地区は1985年にユネスコの世界遺産リストに登録されました。無数の芸術様式が融合した、この見事な建築物を前にして感動を覚えない人などいません。たとえば、オブラドイロに面したバロック様式のファサードでは、ルネサンス様式の階段を登って大聖堂内に入っていくことができます。その際はまず、ロマネスク芸術の傑作である栄光の門を通過することになります。

  • セビージャ大聖堂の眺め

    セビージャ大聖堂、ヨーロッパ最大のゴシック寺院をはるかに超えたもの

    市の中心部にあるトリウンフォ広場にはセビージャを代表するモニュメントが三つも集まっていますが、それらはいずれも1987年に世界遺産に登録されています。その三つのモニュメントとは、大聖堂レアル・アルカサル、そしてインディアス総合古文書館です。この複合施設は、アラブ、キリスト教、そして16世紀の大都市の舞台の素晴らしい例を備え、この都市の歴史的過去を反映しています。5本の身廊を構えるセビージャ大聖堂はヨーロッパ最大のゴシック様式の大聖堂ですが、それに加えてこの大聖堂は、そこに組み込まれている豊かな建築様式や芸術スタイルでも群を抜いています。同じことが、大聖堂を象徴する塔であるヒラルダにも当てはまります。この塔が、アルモアデ族が最初に建設した部分とルネサンス様式の鐘楼で構成されているためです。こちらのコンテンツから、この大聖堂にまつわる数多くのトリビアの一部に触れていただけます。

  • アビラの大聖堂

    アビラ大聖堂、寺院と要塞

    1985年にユネスコがアビラ旧市街城壁外の教会群を世界遺産に登録した際、明示的に言及したのが、このゴシック様式のアビラ大聖堂でした。シモーロと呼ばれるシュヴェが、かの有名な城壁に埋め込まれていることをご存知ですか。宗教建築と軍事建築のユニークな例であることに加えて、スペイン初のゴシック様式の大聖堂とも考えられています。1172年に過渡期のロマネスク様式で建設が始まり、世紀末までに完全にゴシック様式になりました。なかでも印象深い要素といえば、「石灰の」花崗岩や「出血した」花崗岩と呼ばれる花崗岩の驚くべき色です。この岩は回廊をはじめとする諸々の空間の建設に使用されています。

  • セゴビア大聖堂の眺め

    セゴビア大聖堂:「大聖堂の貴婦人」

    その凛とした華麗な姿には「大聖堂の貴婦人」の愛称がよく似合います。この大聖堂は、一般的にもこの愛称で親しまれています。16世紀から18世紀にかけて建設されたもので、後期ゴシックの中でも特に遅い時期に作られた大聖堂としてはスペインだけでなくヨーロッパをも代表する存在です。ユネスコはまた、1985年に世界遺産登録を行うにあたり、市内の歴史地区一帯とセゴビアの水道橋を区別することで、セゴビア大聖堂というモニュメントを強調しました。大聖堂のアプスはマヨール広場を見下ろし、また美しい小尖塔はコウノトリが夕暮れどきに羽を休めるのにぴったりの場所となっています。157枚のステンドグラスが大聖堂内部を光で満たし、高さ88メートルに達する鐘楼からは市内全域の絶景を眺めることができます。

  • オビエド大聖堂の聖室

    文化遺産都市の大聖堂

    スペインにはほかにも、トレドサラマンカクエンカバエササン・クリストバル・デ・ラ・ラグーナエイビッサなど、世界遺産に登録された歴史地区をもつ目的地があります。こうした都市を訪れると、その大聖堂にその都市の代表的な魅力が宿っていることがわかります。またオビエドの街では、サン・サルバドール大聖堂の内部に聖室がありますが、この聖室はアストゥリアスの前ロマネスク芸術の代表的な作品としてユネスコから世界遺産の栄誉を授かっています。

  • サンタ・マリア・デ・メディアビーリャ大聖堂。テルエル

    アラゴンのムデハル建築の大聖堂

    ムデハル美術は、12世紀頃に アラゴン に登場しました。世界でも唯一無二のこの芸術遺産は、後に世界遺産リストに登録されることになります。ユネスコは1986年、テルエルにあるサンタ・マリア・デ・メディアビジャ大聖堂を卓越した代表例のひとつと認定します。この大聖堂は、塔、ランタン塔、そして屋根から構成されており、「ムデハル様式のシスティーナ礼拝堂」と称されます。世界遺産へのこうした登録は、2001年、ほかの建造物にも拡大されます。そのうちのひとつがサラゴサラ・セオです。登録の決め手は、ランタン塔と「パロキエタ」のファサードが最高傑作である点でした。

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