秋――9月22日頃から12月21日頃――は、夏の休暇後の最初の息抜きにもってこいの時期です。スペイン旅行を考えてみてはいかがでしょうか？キノコ類や栗など季節の名物を味わったり、ぶどうの収穫祭で大いに楽しい時を過ごしたり、クリスマスの到来前にオリジナリティあふれるものを購入したりする時期です。また、落ち葉のじゅうたんを踏みしめる音に耳を傾ける、紅葉した広大な森を眺める、または山間のホテルで夜を過ごすというアイデアにも強く引かれるかもしれません。この季節を思いっきり体験するためのアイデアをいくつかご紹介します。
秋になると、暖炉に火を入れる、焼き栗や黒トリュフ、スープ類など暖かい料理の独特な味を楽しむことをそろそろ考えてもいいですね……もちろん、魅力あるスペインの村で楽しむのが最高！例えば、カディスやマラガの 白い村、グアダラハラの 黒建築、また 中世の面影を残す村などに惚れ惚れすることでしょう。ところで、スペインの多くの地域では、栗を主役にしたお祭りが開催されます。カタルーニャのカスタニャダ、アストゥリアスの アマグエストゥ、カンタブリアの マゴスタ、バスク地方の ガスタイネレエクストレマドゥーラーラの チャケティーア、ガリシアのマゴスト……枚挙にいとまがありません。
秋のキノコ狩りは、スペインの多くの地域では、ほぼ狂信的な活動に近くなっています。でもキノコ狩りをするには許可が必要なため、この体験を希望する場合は、企業が行っているサービスに申し込むのがベストです。では、どの地域でなら、このようなアクティビティやこの絶品食材を使った美味しい料理が必ず楽しめるのでしょうか？例えば、ナバレノがとても有名です。ソリアの小さな村で、落ち着いた雰囲気が漂い、またキノコ狩り講座や料理講座を企画するキノコセンターがあります。事実、ソリア県全体がキノコのタパスで有名で、ポルチーニクリームのフォアグラチップ添えなどを味わうことができるでしょう。キノコの秘密を学ぶには、ナバラ州にあるウルツァマ菌学公園とエロ・ロンセスバーレス菌学公園もおすすめです 。キノコ好きな方におすすめの目的地は、ベルガ (バルセロナ) またはキノコフェアが行われるウエスカ県。カンフランクやアイエルベのキノコフェアはその一例です。
スペインの秋は、ブドウの収穫を抜きには考えられません。ワインツーリズムが楽しめる地域がたくさんあります。このチャンスに、ラ・リオハ (スペインで最も有名なワイン産地のひとつ) へ旅することをご提案します。見学ツアーを行っているワイナリーが80軒以上あり、ワインがすっかりひとつの文化となっています。ワイナリーの施設の見学だけでなく、気球でワイン畑の上空を飛んだり、ワイン博物館を訪れたり、テイスティング講座に参加したり、ワインセラピーの施術を受けたりすることもできます。程近い、ラ・リオハ・アラベサでは、建築家フランク・ゲーリーが設計した、マルケス・デ・リスカルのワイナリーなど、スペインでもっとも壮観なワイナリーもいくつかご覧になれます。また、スペインではぶどうの収穫はひとつの祭りだ、と言うことがありますが、それは、すでに夏の終わり頃からリオハのぶどうの収穫祭 (ラ・リオハ県ログローニョ)、へレス・デ・ラ・フロンテーラのぶどうの収穫祭 (アンダルシア)、モンティーリャのぶどうの収穫祭 (アンダルシア)、カンガス・デル・ナルセアのぶどうの収穫祭 (アストゥリアス州) をはじめとする、ぶどうの収穫を祝う祭りが多数あるためです。
秋に印象的な姿を見せる自然が豊かな場所で、具体的なプランをお探しですか？たとえば、アンブロス渓谷 (エクストレマドゥーラ州) では「オトニョ・マヒコ」(幻想的な秋) が開催され、会期中はハイキング、手工芸品マーケット、フォト ラリー などのアクティビティが目白押しです。持続可能な観光の提案が評価され、2019年には欧州委員会により、同委員会が推進する卓越したヨーロッパの旅行目的地 (EDEN)に指定されたアンブロス渓谷。この渓谷に行ってみるには絶好の機会です。ほかにも、モンテホ (マドリード市内から約100キロメートル) をはじめとする各地のブナ林ではガイドツアーを行っており、イラティの森 (ナバーラ) ――ヨーロッパで二番目の面積を誇り、また生物圏保護区にも登録されている広大なブナとモミの森――など、場所によっては無料学習ツアーを体験できます。なお こちらのルポルタージュ では、この季節にぴったりの自然空間を最大10ヶ所、詳しくご紹介しています。
また、この時期は雄鹿が雄叫びを上げる発情期で、雄鹿は驚くような音を立てて雌鹿に求愛します。この“ショー”を生で見るため、4WDツアーを企画している地域がいくつかあり、カバニェロス国立公園 (カスティージャ＝ラ・マンチャ) やモンフラグェ国立公園 (エクストレマドゥーラ)、クレブラ山脈 (カスティージャ・イ・レオン) などでお楽しみいただけます。また、渡り鳥を観察するために双眼鏡もご用意ください。おすすめの地域？たくさんあります。ガジョカンタ ラグーン (アラゴン)、エブロ デルタ (カタルーニャ)、 ドニャーナ国立公園 (アンダルシア)…
スペインでは11月1日に諸聖人の日が祝われ、お墓に眠る親族に花を供えるためにお墓参りをするのが昔からの習慣であるのをご存知ですか？奇妙に思われるかもしれませんが、そこに建つ彫像により、まさに野外ミュージアムとなっている墓地があります。年間を通じて、特に10月末から11月初めにかけて、ラ・アルムデナ墓地やサン・イシドロ墓地 (マドリード) のように、そこに埋葬されている著名人にまつわる話を知ることができる、ガイドツアーを企画する墓地もいくつかあります。実際、20を超えるスペインの墓地は、欧州評議会の ヨーロッパ墓地ルート の一部です。
ライザ・ミネリの有名な歌「オール・ザット・ジャズ」は、問題なく秋のスペインに捧げることができます。しかも、この時期には2つのフェスティバルが開催され、ジャズという音楽ジャンルからしか得られない感動を味わえます。その2つとは、バルセロナのボルダム・ジャズフェスティバルとマドリード国際ジャズフェスティバルです。偉大なアーティストのメロディに身を任せる他、講演会やマスタークラスなどにも参加できます。とはいえ、この時季に開催されるイベントは上記のものに限りません。秋に開催されるスペインの有名映画祭もあるためです。具体的には、サン・セバスティアン国際映画祭、バジャドリ国際映画週間（通称「セミンシ」）、ヒホン国際映画祭、セビージャ映画祭、シッチェスのカタルーニャ国際ファンタスティック映画祭が行われます。
11月末、スペインにクリスマスのイルミネーションが灯ります……クリスマスのお祝いまで残りわずかとなってきている証拠。そのため、スペインにこの時期、またはこの時期の前に来たとしても、この機会にクリスマス用のオリジナリティあふれるギフトのお買いものが楽しめます。スペイン人デザイナーの服やファッション小物を購入し、お住いの国に着いた時に、周囲と差をつけてみてはいかがでしょうか？クスト・ダルマウ、アドルフォ・ドミンゲス、ヘスス・デルポソ、ピュリフィカシオン・ガルシア、アガタ・ルイス・デ・ラ・プラダ、マノロ・ブラニクなどの名前は聞いたことがあるでしょう...リストは非常に広範囲に及び、ここにはスペインのファッションの最も代表的な店が見つかります。スペインでも11月の最終金曜日にブラックフライデーが開催されるのでお忘れなく。あらゆるタイプのショップでは大幅な割引を実施、さらに購買意欲が刺激されます。この季節には、ほかにもさまざまな手工芸品マーケットが立ち始め、旅の思い出になるものに加えて、有名なヒホナのトゥロンやエステパのポルボロンとマンテカドなど、スペイン名物のクリスマス菓子をお土産に買って帰ることもできます。
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