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スペイン北部のドライブルート

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グリーン・スペインの内陸部を端から端まで走破する


スペイン全土に張り巡らされた道路網のおかげで快適なドライブ旅行が楽しめます。どのようなスケジュールを組むのか、どの行程を選ぶのか、ルート上にあるそれぞれの目的地にどれだけの時間を費やすのか。それを決めるのは自分です。国の北部を深く知りたいですか?グリーン・スペインを端から端まで走破するためのアイデアをいくつかご紹介します。この地域を構成する四つの州(ガリシア、アストゥリアス、カンタブリア、バスク)を一緒に横断しましょう。今回は、オウレンセとビトリア ガステイスの間の素晴らしい内陸部を訪れることをお勧めします。雄大な自然空間、生物圏保護区、世界遺産に登録された記念碑、そして一流の美食があなたをお待ちしています。 はじめましょう!

1日目:ミーニョ川(ガリシア)をたどってオウレンセからルーゴへ

距離:125Km 移動: 車で / 期間: 1時間45分

ドライブルートのスタート地点としておすすめなのが、スペイン北西部、特にオウレンセ県です。同県はガリシア州を構成する4県のうちのひとつです。ルーゴに向かう前に首都を訪れることが不可欠です。オウレンセ市はミーニョ川と強いつながりをもつ都市で、その川床には8本もの橋が架かっています。ローマ橋は街の象徴であり、市内にある温泉は街の誇りです。ドライブ前にお風呂に入ってリラックスしませんか?カンポ・ダ・フェイラに足を運び、テルマル遊歩道を散策してみましょう。川の右岸に沿って3キロメートルほど続くこの遊歩道では、一年中いつでも、次の施設を体験できます。薬効のある鉱泉水を使用したア・チャバスケイラ=オウタリスの公共温水プール(約41℃)。皮膚のトラブルに有効な水を使用したオ・ティンテイロの源泉(43℃)。ブルガ・ド・ムイーニョ・ダス・ベイガスの公共温泉プール(65~72℃)。さらに、リウマチや変形性関節症の症状緩和に有効な水を使用したオウタリスの公共温泉プール(61℃)もあります。その後、道路N-120に入ると、50キロメートルも走らないうちにモンフォルテ・デ・ レモスの町に出ます。この町はガリシア州内陸部でもっとも重要な町のひとつですので、立ち寄ってみることをおすすめします。そこから70キロメートル強進むとミーニョ川盆地の高地に入ります。そこにあるパルガ=ラドラ=タモガ自然地帯はテラス・ド・ミーニョ生物圏保護区の一角を占めており、訪れる価値があります。次の目的地で休憩するまであと10分です。ルゴ。

ガリシア州オウレンセにあるローマ橋

2日目:ルーゴ ~ タラムンディ (アストゥリアス)

距離:70Km 移動: 車で / 期間: 1時間15分

午前中はルゴの街を探索して過ごすのがよいでしょう。この街も同じくミーニョ川のほとりにあるだけでなく、世界遺産に登録されているその城壁は、全長にわたり、完全に当時のままの姿で保存されています。千年の歴史をもつこの要塞の内側では、最高のガリシア料理を味わうための無数のオプションが旧市街の路地のあちこちで提供されており、楽しめます。ルーゴからわずか25キロの カストロ デ レイ には、最も保存状態の良い要塞の1つ (イベロ・ローマ時代の古代集落) があります。ガリシア州、ビラドンガのそれ。続いてタラムンディ方面へと向かいましょう。タラムンディはエオ川、オスコ、テラス・デ・ブロン生物圏保護区の一部をなす、魔法がかった町です。この町では「このまま時が止まってほしい」と思わずにはいられません。

ルゴの城壁

3日目:タラムンディ ~ オビエド

距離:158Km 移動: 車で / 期間: 1時間45分

タラムンディはスペインの田舎観光の真のシンボルです。スレート屋根と常に背景に聞こえる水の音に加えて、この町は職人の伝統、特に刃物作りの芸術でも際立っています。工房を兼ねたショップもあり、自分だけのオリジナル作品を注文することもできます。 ハイキング愛好家にとって特に魅力的な選択肢といえば、水のルートを歩くことでしょう。このルートは約14キロメートルの巡回コースになっており、途中、美術館・博物館、滝、栗・オーク・白樺の木々が生い茂る森などがあります。次の目的地であるオビエドへと車で向かうには、海岸沿いを走るA-8自動車道を利用するのがいちばんです。その途中、タピア・デ・カサリエゴ、ルアルカクディジェロなど、魅力的な海辺の町があるため、立ち寄りたいという衝動に駆られるかもしれません。時間をどう使うかはあなた次第です。

アストゥリアス州タラムンディにあるマサノボ水車博物館

4日目:オビエド ~ カンガス・デ・オニス

距離:73Km 移動: 車で / 期間: 1時間

アストゥリアス州の州都で目覚めると、その一日が、よりいっそう都会的で芸術的なものになります。「サンタ・マリア・デル ナランコ」「サン ・ミゲル・デ・リージョ」「サン・フリアン・デ・ロス・プラドス」などのモニュメントを抱えるオビエドは、アストゥリアスの前ロマネスク芸術の発祥地とされる街です。せっかくですのでぜひ、こうした教会や考古学博物館を訪れ、この芸術遺産の重要性について理解を深めてください。さらに、広い歩行者専用エリアと数多くの広場やアーケードがあるため、「ファベ」(白インゲン豆)、カブラレス チーズ、伝統的なサイダーなどの人気のフレーバーを歩きながら味わうのに理想的な都市となっています。次におすすめの目的地はカンガス・デ・オニスです。オビエドから1時間強の距離にあるため、この地域に点在する名所をオビエド訪問の翌日に訪れるのに最適な場所です。ここには田舎風の宿泊施設があります。その代表格が、人々の憩いの場であるセーヤ川のほとりに建つパラドールです。このパラドールからはロス・ピコス・デ・エウロパ国立公園の景色が望めます。

サンタ マリア デル ナランコ教会、アストゥリアス

5日目:アリオンダスとコバドンガ

距離:125Km 移動: 車で / 期間: 1時間半

聖地があり、巡礼の地となっています。また、湖群で構成される驚異的な自然も見逃せません。氷河起源のこの壮大な帯水層を探索するにはいくつかのルートがありますが、最も人気のあるルートは、ブフェレーラの駐車場から始まる約5キロメートルの、難易度の低い環状ルートです。次に訪れるのはアリオンダスです。ここでは毎年8月、セーヤ川下り国際競技会として知られる大規模なカヌーイング大会が開催されます。そこに民間伝承と祭りが加わることで、このスポーツ競技はさらに盛り上がりをみせます。時間があれば、フィトゥの展望台に登って、カンタブリア海と山々の忘れられないパノラマの景色を眺めましょう。再びA-8自動車道に乗り、カンタブリア方面に進みます。1時間強ドライブしたところにあるカベソン・デ・ラ・サルかカブエルニガで一泊します。

ロス・ピコス・デ・エウロパ国立公園内にあるコバドンガ湖群を訪れた観光客

6日目:カンタブリア州カブエルニガ、バルセナ・マヨールおよびリエルガネス

距離:176Km 移動: 車で / 期間: 2時間

カブエルニガ渓谷を出発点に選ぶと、小さくて静かな村々を探索でき、豊かな緑やこの地域特有の築百年の家屋も観賞できます。この渓谷は、カンタブリア州の中央に位置するサハ=ベサヤ自然公園の園内にあります。この自然保護区を通る美しいルートをたどってもよいですし、また近くには、バルセナ・マヨールという名の、絵のように美しい名所もあります。この地域がカンタブリア州のパンチの効いた料理を味わうのに理想の場所でもあるということは、よく覚えておきましょう。山の幸のコシードやサハ川のマスはもとより、ルエンテウシエダといった場所で提供される狩猟肉は絶品です。次に訪れたい目的地はリエルガネスです。リエルガネスは、神秘的なパシエゴス渓谷を代表する自治体です。ここでは「魚男」の伝説に触れるとともに、ミエラ川のほとりにある魚男の彫像を見に行くことをおすすめします。一日の終わりには、バスク地方に向かうA-8道路に戻り、約120キロメートル離れたところに最後の目的地の1つであるゲルニカ - ルモに到着します。

カンタブリア州リエルガネスにあるプエンテ・ビエホ(古い橋)

7日目:ゲルニカ=ルモとビトリア=ガステイス

距離:85Km 移動: 車で / 期間: 1時間

ウルダイバイ生物圏保護区の近くに、バスク州ゲルニカ=ルモ町があります。スペイン内戦中の1937年に受けた爆撃により、画家パブロ・ピカソの代表作『ゲルニカ』の制作のきっかけとなったこの都市は、今日、その歴史的重要性から、必ず訪れるべき「平和の象徴」となっています。エドゥアルド・チジーダ作・ヘンリー・ムーア作の大きな彫刻が置かれた美術館と平和公園を訪れることも、新古典主義建築の議事堂を見学することもできます。最後に、バスク地方の首都がこのルートの終点です。滞在を延長できる可能性がある場合は、そうしてください。発見すべき興味深い場所には事欠かないからです。ビトリア=ガステイスの主な特長は、その模範的な都市構造です。市内に伸びる広い通りや庭園のおかげで、街を縦横無尽に見て回ることができます。ビルヘン・ブランカ広場や中世の歴史地区から、フエロス広場を最大の目玉とする記念碑的なエンサンチェ地区まで、街歩きを楽しんでください。アラバ県特有の高品質の野菜や果物をふんだんに使った最高のバスク料理を楽しめるお店が、あなたの手の届く範囲にたくさんあります。

ウルダイバイの生物圏保護区

アドバイスとおすすめ

ドライブコースを延長できるようなら、ガリシア州にあるテラス・ド・ミーニョ生物圏保護区のルートを2日間かけて巡ったり、カンタブリア州での滞在を延長してソプラオの洞窟を訪れたり、バスク州での滞在を延長して中世の都市オルドゥーニャやイディアサバル村などを訪問したりする選択肢が生まれます。ちなみにこのイディアサバル村は、原産地呼称に認定されている有名なイディアサバルチーズの名の由来となった村です。

ルートのご旅行時期

このルートは一年中いつでも参加できますが、日照時間と天候を考慮して最適な旅程を選択するだけです。